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写真と文 石川文平

 

No.60「プリテック・ステージ」2000年3月号掲載

 

マルチめディアアリベデルチ =最終回=

■電話のない時代に電話が登場した時には、殆どの人が便利な情報手段として絶賛した。ラジオのない時代にラジオが登場した時も、テレビのない時代にテレビが登場したときも同じだったが、便利になるに従ってメディアのもたらす不安を感じる人も出てきた。携帯電話になると拒絶反応を示す人も出始め、インターネットにおいては生理的に受け付けないという人も多い。IT革命がなんだ、e-コマースがなんだ、インターネットが経済革命を起こせるのかという声も聞こえる。■IT革命と呼ばれるものの中心にはコンピュータがありインターネットがある。インターネットは、まさにマルチなニューメディアなのだが、見方を変えれば、キーボードテレビ、あるいは双方向のパーソナルテレビである。e-コマースのはしりはテレビショッピングと言えるし、ホームページは個人が開局するテレビチャンネルとも言える。便利さの陰にあるメディアへの不安は、新しい物について行けない不安とは別に、情報過多がもたらす思考力の低下や、心の通わない浮き草的な社会構造に対する不安がある。■人間は思考し創造し実現することを知っている。それには、こうなりたいという強い想いがなくてはならない。個々の想いが集まって社会を変える。ユングの言う集合的無意識も同じようなエネルギーかもしれない。テレビの低俗番組やメディアのあり方に疑問を感じ、なれ合い政治や利権社会に、また、エネルギー問題や環境破壊に疑問を感じる人が多いならば、そのエネルギーが新しい社会を創り出す筈である。それは、自分自身についても同じであり、思考し、強く想い、行動することが新しい自分を創り出す。どんなに良い情報や便利な手段を得ても、強く想い、行動しない限り、何も変わらないのである。 ■ニューメディアはいずれオールドメディアになる。マルチメディアもすでに当たり前のメディアになった。IT革命と言われはじめたが、変革しなければならないものは社会構造ではなく価値観、つまり個人の意識ではないかと思う。私も自分の意識変革のために行動を変えはじめた。マルチメディア狂想曲をこの号で最終回とさせていただくことにしたのも、そんな感覚からである。本誌楠本専務のお奨めもあって1年位のつもりで書き始めたのだが、いつの間にか5年経っていた。こんな文章をいつまでも掲載し続けてくれた編集部の皆様には、ただ頭が下がるのみである。特に担当をしていただいた小向さん根崎さんにはご迷惑をおかけし、また、大変お世話にもなった。そして何よりも、こんな稚拙な文章を読んでいただいた読者の皆様に深く感謝申し上げる。■このマルチめディアを書くことを通して多くの勉強をさせていただいた。この経験も生かしながら更にマルチな目で色々な物を見、感動や信念に繋がった想いを行動に移して行きたいと思っている。もし、どこかでまた私の文章を目にしていただけたら、これに懲りずにご一読いただければ幸いである。

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