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写真と文 石川文平

 

No.48「プリテック・ステージ」1999年2月号掲載

 

2000年問題

■来年1月1日に発生する2000年問題は、経済混乱にまで発展する可能性もあるという。規模の大小はともかくとして、これはノストラダムスの予言よりも確実な事らしい。2000年問題は、西暦の上2桁の19を省略してプログラムされたコンピュータやソフトの問題でである。2000年以降は下2桁だけでは00や01となり1999年よりも過去の情報として処理してしまう。こんなことは誰が考えてもすぐに判る。コンピュータのプログラムを組むような人が、そんな事も考えずにプログラミングをしたのかと当然の疑問が湧いてくる。実は、私も簡単なプログラムを社内用に組んでいるのだが、自分の作ったプログラムの2000年問題で修正に苦労している当事者でもある。そこで、この馬鹿げた問題の発生理由を自称”当事者”が言い訳がましく分析してみた。■まず、コンピュータのデータは始めに桁数を決める必要がある。年数を2桁で表わすか4桁使うかは、データ量の関係に影響してくる。コンピュータの性能の良くなかった頃には2桁多くデータを持つことは負担になった。遥か先(?)の2000年以降の為に2桁さく事は無駄に感じられたのである。とは言え、設計者が2000年になった時の事を考えなかったわけではないだろう。オフィスコンピュータ(OA)ブームは1980年代のことで、当時2000年までは10数年先、このプログラムが10年はもたないだろうと考えてもおかしくはない。十年一昔というがコンピュータの世界は一年一昔、しかも2000年という年数は遥か未来に感じられる。その頃にはこの機械やプログラムは大きく変わっているに違いない。自称”当事者”は、経験的にこんなことが2000年問題に至った理由と考えるわけである。 ■ところで、これはノストラダムスの影響だというこんな話しもある。2000年問題を知りながらプログラムした人達は、実はノストラダムスの予言信奉者であったというのだ。だから、1999年以降の年号は必要ないと考えたわけである。他にもいろいろ面白い説はあるが、いずれにしても西暦2000年は待ったなしにやって来る。だからこそ世界中が必死になって2000年までに問題点を修正しようと努力する。この問題の修正にかかる経費は全世界で数兆円の規模になると言われているが、ゴミ問題や環境問題も待ったなしの期限つきだったらどうだろう。全世界が必死になって修正しようと努力を始めるのではないだろうか。コンピュータを作り出すほどの人間の英知も、2000年問題を引き起こした。そこにはまだ先のことだとか今はこの状況で何とかなるという”先送り”意識が働いていたと思う。ノストラダムスのあの1999年7の月という予言も、人類の為に期限を切って地球上のいろいろな問題解決を促そうとしたのかもしれない。 ■我々はわずか20年足らず先のことも遥か未来の事のように感じたかと思えば、400年以上前の予言者の言葉も今ここに生きている。時間は感覚的で変則的な変化をしているに違いない。さて、我々はこの2000年問題で西暦を4桁に修正した。さあ、これでもう完璧であろうか。いや、まだまだ、8000年後の西暦9999年にはまたもや西暦10000年問題が起る。いやはや、コンピュータというやつは始末が悪い。もっとも、その頃こそ今のシステムは存在していないだろうが。

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