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写真と文 石川文平

 

No.38「プリテック・ステージ」1998年4月号掲載

 

カラス

■都会のカラスが増えている。先日テレビでカラスの行動を追いかけ、我々の出す生ごみとの関係を分析していたが、以前カラスを観察している人からも面白い話しを聞いた。カラスとごみの関係の間にホームレスが介在していると言うのである。繁華街で出された残飯を、早朝ホームレス達が食べもの集めに動きだす。カラス達はその後を付いて回るのである。その理由は残飯容器の蓋。賢いカラスもポリバケツの蓋は開けられない。彼等はホームレスが蓋を開けて行くのを待っているのである。ホームレスの増加とともに都会のカラスが増えたと言う。■カラスと人間の生活にバランスがとれている内は、カラスなぜ鳴くの〜カラスの勝手でしょ〜・・・などと悠長に構えてもいられたのだが、最近の様に数が増えて来ると摩擦が起きてくる。最近わが家の周りではカラスの声がうるさく、例にもれずカラス公害状態になっている。子育ての時期に隣のおばあちゃんや子どもがカラスに攻撃されて怪我をした。カラスの側から言えば本来の習性通りに行動している訳であるから、悪役にされるのは迷惑だろうが、早朝5時前からカーカーやられて不眠症になっている人達にとっては、何とかしてくれ〜と言うことになる。カラスがうるさいと区役所に言っても、何かしてくれる訳ではない。どうするべきかと考えてみたがいい方法も思いつかない。どうやら自然保護や動物愛護は自分に被害がないという条件付きの志向らしい。ならばカラスと人間のテリトリー争いとして人間の生活権をもっと主張すべきだろう。そう思って私は最近カラスを見ると石を投げたり手を振り回したりして攻撃をしかけるようにしている。いい歳をしたおやじがカラスに石を投げている様はどう見ても正常には映らないだろが、誰に笑われようとカラス公害地域には必要な行動なのだと、カラスを見るたび拳を上げている。 ■昨年の春、向かいの木の上で3羽の雛が巣立った。今年も案の定、同じ木に巣を作り始めた。巣作り反対のプラカードを上げる訳にもいかず、これ以上カラスを増やさない為には実力行使しかないと、先日の日曜日に完成間近の巣を先方に断わって壊すことにした。先方と言ってもカラスではなく木の持ち主である。したがってカラスには申し訳ないと思いながら、塀の上に乗り長い竿で巣を壊した。以外と頑丈に出来ている。カラス達が上空を旋回しながら警戒警報を発している。自分の顔にぼろぼろと壊れた巣材が落ちてくる。この近所に巣を作る事を否定しても何処かでカラス達は子育てをするに違いない。そう思うとごみ処理場や原子力に反対する住民感情と変わらない事に気付いた。たかがカラスの事ではあるが、根本解決が難しい今の社会環境を考えさせられた。カラスなぜ鳴くの・・・カラスは山に巣を作ってほしいものである。

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