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写真と文 石川文平

 

No.30「プリテック・ステージ」1997年8月号掲載

 

電子マネー

■最近プリペードカードがおお流行りだ。電話はもとより電車や高速道路用など色々ある。パチンコのプリペードカードは不正使用で新聞をに賑わしていたが、今は裏ROMなどと言う手の混んだ不正使用が問題を起している様だ。いつの世も盗人の種は尽きないようである。長野県の駒ヶ根市がICに記録した電子マネー実験をしていると聞いて、電子マネーというのを一度使ってみたいと思ったが、よく考えてみればプリペードカードやクレジットカードも電子マネーであることに気がついた。既に我々も電子マネーを利用していたのである。■インターネットで商品や情報を購入するためのプリペードカードが登場したのをご存じだろうか。このカードの場合、使い方が一般のカードとはちょっと違う。自宅のパソコンにカードを挿入する機械を買わなければ使えないのではと考えたが、そんな不便なものではなかった。準備するものは購入したプリペードカードだけ。あとはパソコンの前にカードを持って座るだけでいいのである。勿論座っただけで買い物が出来たら超能力者であるが、カードをパソコンに挿入したりする必要はない。自分が購入したカードに付いている16文字のひらがなを、希望商品を指定した後に入力するだけでいいのだ。例えば5,000円のカードを買い、2,000円の買い物をしたとすると、その時点で残額が3,000円になったことが発行会社に記録される。商品購入者の名前が知られたくない場合や、クレジットカードを使用することに不安を感じる場合にも便利である。商品名は「BitCash」という名前で指定書店等で購入出来るそうだ。 ■このカード、とても手軽に使えそうだが、たった16文字のひらがなでセキュリティーは大丈夫なのだろうか。どうやら、確率論的にその心配はないらしい。その理由は、やはりこの16文字にあるようで、クレジットカードにも16桁の数字が用いられているのはそのためらしい。16桁は9999兆999・・・・まで使う事が出来る。それに0が加わると兆の上、”1京”通りの番号を付けられることになる。”京”など使う機会もない桁数だが、発行元が仮に1億枚のカードを発行したとしよう。ある人が出鱈目な番号を入力しても実際に発行している番号と一致する確率は、1京÷1億=1億分の1の確率ということになるのだ。つまり1京は1億の1億倍に当たるのであるから、もの凄くすごい数字なのだと更めて見直してしまう。しかも、ひらがなは51字(常用45字)であるから確率も更に大幅に下がるし、日本語変換のキーボードを持っていない外国人は簡単に使用できないという仕組にもなっているようだ。■国の壁がはずれて情報や商品がネット上で売買される時代が来た。セキュリティーの問題が解決されれば電子マネーが貨幣に代わって流通しはじめるだろう。1京もの数字を使ってセキュリティーを守らなくてはならない背景にはインターネットの抱えた暗部がある。個人を特定するための電子署名や暗号方式も色々研究されているようだが、先日新聞に2000台のスーパーコンピュータで計算しても2000年かかる暗号技術が開発されたと出ていた。この場合京の何桁位上まで使うことになるのだろうか。気の遠くなる数字であり誰も好んで解読する者はいないだろうが、現在の1万倍の計算速度の開発はこれまでのコンピュータの歴史から見てもそう長い時間を要しないであろうから、いずれ解析可能になる時がくるのである。セキュリティーは開発とのいたちごっこと言える。昔の大泥棒が残した「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ」の名文句は電子マネーの時代になっても通用しているのである。

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