サイトマップメールhome

写真と文 石川文平

 

No.1「プリテック・ステージ」1995年3月号掲載

 

マルチなメディア

マルチメディアを英和辞典で引いても載っていない。マルチはすでにマルチ商法等でおなじみの言葉で”複数の”とか”多くの”という意味の接頭語である。
メディアは媒体の意味で主に情報発信の方法としてのマスメディア、印刷メディア等と使っているが、辞書を調べて見るとmediaは”mediumの複数”(比較的ポピュラ―な三省堂デイリ―コンサイスによる)とだけ出ており特に意味は掲載されていない。メジュ―ムと言えば印刷関係の方ならご存知かと思うが印刷インキのベ―スつまり顔料を溶かし込んでいる水飴のような媒体の事である。だからマルチメディアは印刷関連と関係が深いのだと言えばこじつけだと叱られるであろうか。
こじつけと言えばこのタイトルの「マルチ”め”ディア」も、マルチな目でおかめ八目的に色々と思い巡らしてみようと言う意味合いである。小生のような凡人の目では、深い視点でもの事をとらえられる筈も無いから、ピントの外れた狂想曲になってしまうことと思っている。


人の思い込みにもこじつけに似たものがあるから面白い。私は”どんぐりコロコロ”の歌をつい最近まで”どんぐりコロコロどんぐりこ”と覚えていた”どんぐりこ”はどんぐりの子であろうと考えていたのであるが、実は”どんぶりこ”であった”どんぶりこ”とは丼の子?などと思ったが、何の事はない、次の歌詞で”お池にはまってさ―たいへん”と来れば水の音だったのである。

同居している83才になる義母のもユニ―クで、かの有名な”ディズニ―ランド”を”ネズミ―ランド”と思い込んでいる。確かにテレビのコマ―シャルにはミッキ―マウスが登場するので83才のお婆ちゃんと言わずともネズミ―ランドの方がピンと来るかもしれない。
こじつけてまで定義付けする事も無いのに、何にでも定義付けをしたがる人がいる。そこでマルチメディアの定義とはとあれこれ考えてみると、これがなかなか難しい。以前ニュ―メディアと言う言葉が流行ったことがある。これもよく考えてみると新しい情報発信機の事であるから、いつまでニュ―メディアと呼べばよいのか、つまり、次に新しいメディアが現れてもニュ―メディアと呼び続けていていいのだろうか等と悩んでしまう。電話やテレビも登場した頃は画期的なニュ―メディアであった筈だが、残念ながらその頃はこの画期的なニュ―メディアと言う呼び名が無かったのである。マルチメディアもその類いでありマルチなメディアが当たり前になった時に、マルチメディアと言う言葉も消えて行く運命にあるのだろう。
まあ、あまり難しく考えずに、マルチメディア時代の快適な生活(?)でも思い巡らそうと自分の周りを見れば、ダビング中のCDを聞きながら新聞を読み、テレビのJリ―グに時たま目をやりながら、突然かかってきた携帯電話に手を延ばす・・・まさにメディアマルチな生活である。

 |INDEX|

 

*このHome pageに掲載している写真及び文章の著作件は
石川文平に帰属します。無断転載を禁じます。