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修行の巻四

 

鼻の穴を通過する空気(呼吸)をひたすら感じる。呼吸は誰でもしていることである。だからアーナパーナ瞑想は理解しやすい。しかし、自分の意識を現在に留めることの難しさに気付く。呼吸に集中することは現在に集中していることになる。ところが、これがなかなか出来ない。
鼻の穴を通過する空気に意識を集中する。鼻の穴に意識・・・鼻をかみたい・・・ちり紙・・・紙と言えばあの書類・・・出社したらあそこに電話して・・・携帯・・・メール溜まってるだろうな・・・などなど、すぐに現在を見失う。過去や未来を遷ろっている状況も見方を変えれば現在なのだろうが、呼吸をひたすら感じるというこんな簡単なことにすら集中できない。その上、さらに眠さという敵が襲ってくる。そんな状況でも、日がな一日鼻の穴と格闘していると段々こつがつかめてくる。そして3日目、今度は更に小さな部分に意識を絞り込む。集中しては遷ろい、集中しては眠気に惑わされしながらも、一点に集中できる時間がのびてくる。
鼻の下の小さな一点に意識を集中出来ると、これまでとは格段に違った覚醒感を覚えた。頭が冴えている事が分る。心は深く落ち着いている。眠さが襲わなくなった。覚醒した自分がはっきり意識できる。周りの物音も状況も手に取る様にわかる上に呼吸に集中できる。過去や未来を行ったり来たりする意識の遷ろいはなくなった・・・と、突然何かが見えてきた。映像である。声も音もない。幾つかのシーンが目の前を横切る。過去の様でもあり、未来の様でもあり、願望の様でもあり、不安の様でもある。

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