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写真と文 石川文平

 

プロセス写真製版DTPテクニック

 

印刷出力の為のDTP処理

ブロードバンドネットワークによる、大容量通信時代がすぐそこまで来ています。従来の公衆回線を使用した最大量の通信速度は1秒間に約130Kビット、世界標準のブロードバンド送信量は、その千倍以上の150Mビット。近い将来、印刷作業はフィルム下版が無くなりデータ下版にかわるでしょう、無論、ハードウェアとの関係にもよりますが、デジタル化の波は的確に押し寄せています。印刷界でも、デジタル印刷時代に突入する前に、すでに幾つかのステップが始まっています。ハードウェアの切り替えの前に、先ずはソフト部分の変更です。つまり、DTP処理での制作デザインの次には製版処理ということになります。フィルム出力を中心に印刷用DTP出力の注意点をまとめてみました。


−トラッピング処理−

オーバープリント(のせ)もトラッピングの一つと考えてもよいでしょう。そもそも、モニター上のDTP処理ならば、トラッピングなどと言うややこしい処理をする必要は無いのです。印刷も理屈上はトラッピング処理をしなくても問題無く刷れるはずなのですが、実際は理屈通りには行かず、どうしても微妙なズレが生じる場合があります。印刷用紙の伸縮や紙の厚さから生ずるズレや、機械の誤差等物理的な理由が幾つもあります。それはともかく、青いベタに赤い文字が抜き合わせになっていた場合、それがわずか0.05mmでもズレれば紙の白地が目立ってしまいます。こんなズレすら生じないように微調整している印刷は神業とも言えます。そこで、印刷用紙の種類などにより、必要に応じて抜き合わせの部分を若干重ね合せておく処理をします。重ね合わせ部分がその色を含んでいる場合はのせにします。地色の上に墨文字の場合などは、トラッピング処理でなく墨のせ処理をするわけです。トラッピング処理が必要かどうかは、印刷会社に訊ねれば判りますが、パッケージ類等の様に厚手の紙に刷る印刷物の場合、0.1〜0.2mm程度のトラッピング処理をしておけば間違いないでしょう。但し、そのときに抜き合わせのどちら側を太らせるのかを間違えない様にしてください。文字を太らせた場合印象が変わってしまいます。淡い色の方を太らせるのが基本ですが、その点に考慮してトラッピング処理を行って下さい。



−出力のポイント−

■トンボ、罫線

印刷用のDTP出力で間違えが多い処理に、トンボの作成の仕方があります。プロのデザイナーならば角トンボやセンタートンボが必要なことは常識ですから、版下作成と同じようにトンボを設定するのですが、出力時に墨版にしかトンボが出力されず印刷の役にたたない結果となってしまう場合があります。DTPアプリケーションソフトの種類によって、自動トンボを使用することで各色にトンボが出力されますが、そうでない場合は、CMYK各色にトンボを張り込む必要があります。このとき各色100%に塗りつぶし指定することを忘れないようにしてください。トンボの太さは0.15pt前後が適当かと思います。尚、色玉も必ず付けておくようにしましょう。製版フィルムには一目で何版か判るようにCMYKの識別マークを入れた色玉が必要です。色玉は校正刷りの段階でインキの刷り濃度を測定したり、インキの盛り具合を判断する為にも使います。製版用のインキ濃度を一目で判断出来る色玉が色々あります。研究してみるのも面白いですね。罫線を作成する時には、太さの指定やパスの状態に注意してください。低解像度(500dpi程度)のプリンターで出力する場合、細めの線(0.5tp程度以下)は皆同じに出力されたり、多少トラブルのあるデータも出力されることがあるからです。こんな場合、印刷用の高解像度の出力では正確に再現しようとするため、エラーになる場合があります。知ってしまえば簡単な事ですよね。

■フォント

文字化けという言葉通り、ソフト上では正しく入力されている筈なのに、出力時に文字が違う形に化けてしまうことがあります。先ずは、PostScript対応のフォントでなくてはなりませんが、DTP作業上で使用したフォントが、出力機側に入力されていなければ、文字として出てきません。従って、自分の使用したフォントが出力機にセットされているかを確認しなければなりません。サービスビューローが使用フォントやアプリケーションソフト名を確認するのはそのためです。MACに付いているTrueTypeフォントを使用しても、低解像度のプリンタならばきれいに出力されますが、印刷出力用の高解像度出力機では出力出来ません。PostScript対応の日本語ソフトでも、システム上の問題等で、外字など一部正しく出力されない記号類があります。これらの問題には、市販されている外字フォントを使うことなどで解決できます。文字については、色々と条件がありますが、一度対応しておけば後は通常作業の流れで、完璧な印刷出力が出来るようになります。基本部分に手間をかければ、後はすごいスピードで処理することが出来るのがコンピュータの素晴しさです。

■ファイルフォーマット

DTP出力をする場合、作成されたデータを出力機に認識させるためには、その出力機が読み込める形式のファイルフォーマットに変換して渡さなければなりません。画像データのファイルフォーマットの代表的なものは、PICT、TIFF、EPS、が代表的です。PICTはPICTUREの頭4文字をとったもので、MACが設定した保存形式です。RGBモードしか保存しませんので、印刷出力用のデータ保存には向いていません。CMYKでスキャニングしたデータをPICT(RGB)に保存し、印刷用データとして使用するときに再度CMYKに変換することはお薦めしません。TIFFは基本的にOSに関わらず読み取ることの出来る共通フォーマット(ISO9660)とされています。Tag Image File Formatの略で、RGB、CMYKのどちらでも保存することが出来ます。EPSはEncapslated PostScript Formatの略です。直訳すればカプセルに入ったポストスクリプト形式ということになります。印刷データ関係の出力の場合CMYKのEPS形式を推奨している機器が多く、安定した保存形式でもあります。

■間引きデータと画像すり替え

印刷出力をするための作業は、出力用画像データ(本データ)を扱うことになりますが、モニター上での処理が楽に出来る便利な方法があります。モニター上で扱う画像を、本データから間引いて軽くした間引きデータにすることで、本データを扱うよりも遥かに動きを良くすることが出来ます。出力時に本データとすり替える訳です。但し、色調変換したり加工する必要のある画像は、本データで処理してしておかなければいけません。間引きデータをいくら画像処理しても、すり替える本データが連動して画像処理されるシステムではないからです。すり替えを行う方法は、出力機によって違いがあります。出力機別の方法は出力を依頼する会社に確認することをお薦めしますが、基本的にはEPSかTIFF形式に対応します。TIFF FORMATに対応する出力機の場合、切り抜き画像はすり替えせずEPS形式で出力する場合があります。EPS形式でも出力機用の間引きソフトで間引きデータを作成するのが普通ですが、Photoshop上でEPS保存することも出来ます。この場合72DPIのオリジナルとCMYKの計5つのファイルに分けます。この場合モニター上で使うデータはオリジナル画像を使用すればよいわけです。便利な間引き方式を上手に利用すれば、DTPデザインもより楽しさを増します。

  

 

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