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写真と文 石川文平

 

プロセス写真製版DTPテクニック

 

プロフェッショナルのDTPデザイン

グラフィックデザインは、DTPアプリケーションを使ったモニター上でのデザインが主流になってきました。従来のデザイン方法の方が味のあるデザインが上がると、アナログ手法にこだわるデザイナーも多くいます。勿論、その意見にも賛成ですが、デザインが時代を反映し新しさを追求するとき、片側だけで論じることには少し不安があります。人間が、長い年月かけて熟成してきた文化も、常に、新しいものと従来のものとが比較、融合、調和されて移り変ります。新しい世紀に突入し始めた現在、DTPを絶対的デザイン手法と考えるか、デザインツールの一つと捉えるかは自由でしょう。そんな認識のもとに、プロの仕事としての効率、コスト、品質を考えたDTPデザインのポイントを紹介しましょう。



−カンプ出力派から印刷出力派へ−

グラフィックデザインにおけるカンプ作成は、きれいで安定した仕上がりが作れること、何パターンもの色や形を簡単に出力出来ることなど、作業効率やコスト面で手作業よりも遥かに利点が多いことは周知の通りです。ここまでは、製版や印刷技術を考えずに行えますので、DTPテクニックを覚えれば簡単に行えます。ところが、よく突き詰めて見ると、カンプ作成までのDTP作業は、実は印刷出力まで出来てしまう作業と殆ど変わらないのですから、従来の作業(アナログ製版)を行うために更に版下を作成したり、色指定をしたりする手間に無駄を感じるようになります。でも、そこまでしないのは何がネックになっているのでしょうか。具体的には、フィルム出力時のトラブルや、分解データの品質、作業モニターと仕上がりの色の違い(カラーキャリブレーション)、厚手の印刷用紙の場合や複雑なデザインでのトラッピング処理の問題等が上げられます。これらの点は、特殊な知識を持たないと処理出来ないように思っている方が多いようですが、実は、DTPテクニックを身に付けた努力からすれば、遥かに楽な知識と作業で済みます。個々の処理について要点をまとめますので、あなたも、印刷出力派へ一歩踏み出して、デジタル流通時代のプロフェッショナルなDTPデザインを楽しんでください。



−DTP印刷出力、要点の要点−


フィルム出力時のトラブルは、デザイナーにとって最もイライラする部分でしょう。しかも、出力した結果については自分が責任をとらなければなりません。再出力すれば、倍の出力フィーがかかります。カンプ出力の場合はどうでしょうか。出力フィーが比較的安いのであまり気にならないのでしょうが、理屈は同じことです。カンプ出力をする場合も、編集条件が合っていなければ出力トラブルが発生する訳ですから、カンプ出力迄の処理が出来るということは、フィルム出力はプラスアファーの要素を理解すれば良いのです。しかも、カンプ出力が校正の替りになります。写真の色調等の判断迄は無理ですが、文字、配色、トリミング、サイズ等殆どの校正要素をカンプと同時にチェック出来ます。一石二鳥の処理として取り組むべき価値と思えませんか。
分解データの品質は入力条件によります。製版オペレータがドラムスキャナーや高品質の平面スキャナーでCMYK入力したハイエンドデータならば、アプリケーションソフトで写真の背景バランスを整えたり、商品の色調を調整したりすることは自分自身で納得の行くように出来ます。ハイエンドデータは、出力を依頼する製版会社や出力センターで手軽にデータ化出来ますし、フォトライブラリーでもハイエンドデータで貸し出しする所を利用すれば、分解の手間をかけずに全てオンラインで居ながらに作業することが可能です。
カラーキャリブレーションについては、本特集で詳しく説明していますのでそれをお読み頂ければ簡単な調整方法がご理解頂けると思います。
トラッピング処理については、多少印刷技術のノウハウ的な部分と言えますが、これも、DTPアプリケーションソフトに組み込まれていたり、手頃な価格のアプリケーションソフトも出ていますので、処理そのものはとてもかんたんです。(次の「印刷出力のためのDTP」にも解説しています)



−ハイエンドデジタルデータ−

■解像度とクオリティー、印刷線数の関係

デジタルデータの解像度をdpiで表わします。dpiとは、ドット・パー・インチ(dot par inch)1インチにあるドット数のことです。72dpiと言えば1インチに72ドット、350dpiは1インチに350ドット、従って、72dpiよりも350dpiの方が緻密なデータと言えます。では、どんな入力条件でもdpi数が同じなら画質は一緒でしょうか。また、ソフト上で72dpiのデータを、サイズを変えずに350dpiにアップした場合はどうでしょうか。既にご存じの通り、画質は同じではありません。例えば、簡易な平面スキャナーと製版用ドラムスキャナーとでは、色分解時の画像の読み取りシステムが違うので、結果は同じ350dpiであっても画質のクオリティーは違うのです。また、ソフト上でdpi数を増やしても、元々無いデータをソフト上で補完している訳ですから、入力時から350dpiで入力したものとは画質のクオリティーは比較になりません。ここで例に出した72dpiと350dpiはDTPでよく使う解像度ですが、72dpiはモニター画面で表示する時に必要な解像度です。13インチのモニターの標準的な画面は640×480ドット(ピクセル)で構成されています。350dpiの解像度にしたからといって、72dpiのモニターで見ている限りモニター上の画質のクオリティーは変わりません。350dpiの解像度は、175線で印刷する場合に必要な解像度です。線数と解像度の関係は線数×2が目安です。


■RGBとCMYK

リバーサルカラー(透過)写真や、TVモニターは光の三原色RGB(Red、Green、BlueViolet)、であらゆる色を表現しますが、印刷物の様に反射光で色表現する場合インキの三原色CMY(Cyan、Magenta、Yellow)とK(Black)で全ての色を表現します(但し、特色を使用しない印刷の場合)。世の中の全ての色は光によって見えています(インキが光を発している訳ではありません)、従って、インキも光の三原色の原理によって見えているのです。白い紙の上にインキを重ねて色を表現する場合、最も効果的に鮮やかな色を表現するには、光の三原色の1つを吸収するインキ、つまり光の三原色の2つを反射するインキがインキの三原色と言う訳です。インキの原色CyanはRedの光を吸収しGreenとBlueの光を反射します(GreenとBlueが重なった色です)。MはGを、YはBを、Kは全ての光を吸収します。全ての光を反射するのが白い紙です。ですから、Redの色をインキで表わすには、Redだけを反射する状態を作ること、つまりGreenとBlueの光を吸収する状態MagentaとYellowのインキを重ねた状態です。こんな仕組みで全ての色が表現されるのです。


■解像度とデータ量の関係

印刷出力を目的にした作業でのデータ量の計算を例にしましょう。一般にカラー印刷の場合175線が標準と言えますので、350dpiの解像度で処理します。印刷出力ですからCMYKモードとします。サイズは計算しやすく10インチ四方(約25.4cm×25.4cm)とすると、10インチには3500ドット(350dpi×10inch)ですから、 3500×3500×4(色/CMYK)=49,000,000(バイト)=49MB
ということになります。実際アプリケーションソフト上で同条件で画像を処理しますと、計算上の端数処理による誤差等で、計算通りの数字にはなりません。しかし、ほぼ近いデータ量が計算で得られます。
バイト数を単純に1000で計算せずに、2進法の1024で計算すると、もっと正確なデータ量が求められます。
上の計算の場合、49,000,000(バイト)÷1024=47,851KB、さらに1024で割れば、46.729MBになります。
では、RGBモードの場合はどうでしょうか、計算式中の4が3に変わりますので、次のようになります。
3500×3500×3(色/RGB)=36,750,000(バイト)=36.75MB
つまり、CMYKモードはRGBモードより約30%データ量が多いことがわかります。 尚、印刷用に使用するデータはデジタル分解する時点でCMYKモードで入力されることをお薦めします。

  

 

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